あらゆるスキマ時間で集中学習! 無駄ゼロ独学術

合格したければ真似しろ――難関資格試験合格者の「教材の選び方」

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キャリアアップ、資格試験、公務員試験、TOEIC、リスキリングなどにおいて、予備校や専門学校に頼らず一人で勉強するのはうまくいかないものです。いわゆる「独学」が難しいといわれる理由は――人間の意志がそもそも弱いからです。ただし、人間の意志は弱いという事実を受け入れることで、独学の成功率を高めることができます。この本には、忙しい社会人でも実践できる、独学を成功させるためのノウハウが満載です!
この連載をまとめ、加筆・改稿したビジネス書『意志の力に頼らないすごい独学術』(石動龍)が、アルファポリスより好評発売中です。

「合格者ブログ」は高速道路

「とりあえずやってみる」は、時に正しい場合もあります。
しかし、スケジュールと予算に余裕がない社会人の独学受験生にはあまりおすすめしません。学習を効率化するためには、事前の仕込みが大切です。方針を決めずに勉強を始めるのは、目的地を決めずに走りだすようなものです。時間の余裕がない人にとっては、致命的な遠回りにつながる可能性があります。
一方で、計画に時間をかけすぎると勉強開始が遅れてしまい、それも合格の可能性を低下させてしまうでしょう。
そこでおすすめしたいのが、すでに合格した人の体験を、マニュアル代わりに参考にすることです。

独学で合格した人が、体験をブログにしていることがあります。
「独学」「合格」と目標試験の名前をあわせて、検索してみましょう。極めてマイナーな資格を除いて、いくつかの体験記が見つかるはずです。
体験記には、実際に挑戦して合格した人のノウハウが詰まっています。合格者が頭を悩ませた経験がつづってあり、有用な情報にあふれていますので、効率化のために役立てましょう

ブログを利用する際の注意点

いくつか注意すべき点もあります。
まず、合格者の一次情報のみを参考にすべきだということです。
先ほどのキーワードで検索すると、実際に受かった人の体験記だけでなく、合格していない人が書いた記事もヒットします。それらは通常、自らの体験や分析をまとめたものではなく、インターネット上の情報を集めて作成したものです。そのため、情報の精度は低く、誤っている内容もたくさんあります。
合格していない人の情報を参考にすると、逆に合格から遠ざかってしまうこともありえます。誰が書いているかに気をつけながら、内容を確認しましょう。

見分け方は、記事を書いた人のプロフィールです。
実際に合格した人は、たいていの場合、「〇〇年に○○試験に合格しました」と、事実を踏まえて自己紹介を記載しています。それがなくても、記事の冒頭に合格した旨を記していることが多いです。合格していない人の記事は、それらの記載がなく、文末が「〇〇らしい」「インターネットで検索すると~」など、引用やあいまいな表現を多用しています。合格した人は、「私が合格したときは~」など、自らの体験であることを明示しているケースが多いです。
これらの点を確認し、参考にすべきサイトをピックアップしましょう。

続いて、情報を鵜呑みにしすぎない、ということです。
人間は一人ひとり、体型も性格も、置かれた環境も違います。
格闘技で技を増やすときに大事なことは、その技が自分に合うかを考えて取り入れることです。私は足が長いほうではないので、身長が高い人の技はマネできません。取り組もうとしても、ムダな努力に終わる可能性が高いです。
独学も同じです。誰かが合格したという体験記は、その人にとって向いていた勉強法や、合っているテキストをまとめた情報に過ぎません。
その方法をコピーして実践しても、全員が合格できるわけではありません。自分にそれが合うかは未知数ですので、100%同じことを行っても、合格できるとは限らないのです。
合格者の体験から有用な情報を拾い上げ、自分に合うものを吸収することが大切です。

また、合格者の属性にも注意しましょう。
たとえば、法律系の資格なら、大学の法学部を卒業していれば、初学者よりもアドバンテージがあります。卒業までにひと通りの科目に触れる機会があり、用語に関してもある程度理解した状態でスタートできるからです。
私が公認会計士試験に合格した際は、簿記1級と司法書士試験に合格していたほか、仕事で5年近く上場企業の経理部での勤務経験がありました。そのため、試験科目の会社法や会計学、民法などについては、かなりの知識を備えており、大幅に勉強時間を短縮できました。
公認会計士試験には、司法書士試験からほぼ1年後に合格しましたが、まったくの初学者であればもっと時間がかかったことは間違いありません。
このように、同じ独学合格者であっても、スタート地点が違う場合があります。そのため、合格体験記をよく読み、自分に近い属性の人を参考にしましょう。

これらの点に注意しながら、合格者のブログを読みこみましょう。
基本的にこの作業は、試験への挑戦を始める前に行うことをおすすめします。スタート前に大まかなプランを決めることで、誤った方向に努力することを防げます。
また、勉強を始めてからも、定期的に参考になるブログをチェックしましょう。順調に努力を続けていても、実力が伸びないなど、壁に当たることがあります。その場合、合格者が過去に同じ悩みを持ち、解決する方法を見つけている可能性があります。一人で悩んで乗り越えるよりも時間短縮になるので、行き詰まったときも合格者の経験は役に立つでしょう。

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プロフィール

石動龍
石動龍

青森県八戸市在住。公認会計士、税理士、司法書士、行政書士。読売新聞社記者などを経て、働きながら独学で司法書士試験、公認会計士試験に合格。石動総合会計法務事務所代表。ドラゴンラーメン(八戸市)元店長、ワイン専門店vin+共同オーナー、十和田子ども食堂ボランティアとしても活動している。趣味はブラジリアン柔術(黒帯)と煮干しラーメンの研究。

著書

意志の力に頼らないすごい独学術

意志の力に頼らないすごい独学術

石動龍 /
キャリアアップ、資格試験、公務員試験、TOEIC、リスキリングなどにおいて、予備...
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