沈黙で応じてもなめた態度が続くようなら、次にやるべきは質問で返すことだ。これは簡単なようで、非常に強力な手段だ。
「それ、どういう意味ですか?」
ここでは怒りを出さず、冷静に質問するのがポイントだ。怒りをにじませると逆効果になる。相手の手の中で転がされている、つまりコントロールできている感覚を、相手に与えてしまうからだ。
質問されると、攻撃者には回答する義務が発生する。そして、なめてくる相手は自分が悪いことをしている自覚があるため、周囲に自分の悪いふるまいを自らの言葉で説明しなくてはならないとなると、大変苦しい思いをすることになる。そのプロセスを、コストとして払わせることで高い抑止力になるのだ。
ここまでやっても攻撃の手がやまない場合、いよいよ目に見える行動に切り替えるタイミングだ。なめ行為を記録し、公開に踏みきるのだ。
だが、メールの記録を公開しろ、録音した音声をバラまけ、というわけではない。あくまで、業務上の確認という建前を取りつつ、第三者の目を入れるのだ。まずは、自分と相手、二者間でのやりとりにせずCcで関係者を入れるだけでいい。
相手にとっては「これはマズい!」と感じるラインであり、相手の攻撃性を一気に抑える効果がある。9割以上はこの時点で解決するはずだ。
仮にまだ態度が変わらない、それどころか、明らかなパワハラ・不利益行為がある場合は、最終手段だ。次のような手段が考えられるだろう。
・人事・労務への相談(客観的証拠をそろえて)
・上司への相談(私情ではなく業務に支障があるという形で)
・社内コンプライアンス窓口への通報
この段階では、相手に直接反撃するというより、組織の仕組みに判断をゆだねることが目的だ。正当な手続きを通して「あなたのなめた言動は社会問題化した」と印象づける狙いがある。上記は会社内でのトラブルに限定して書いたが、社外でのトラブルであれば、警察、司法などの公的な権力の力を借りることになるだろう。
いずれにしても大事なのは、最初からレベル3や4に行かないことだ。理由は、なめてくる相手だけでなく、周囲も巻きこむので、迷惑になってしまうためだ。
とはいえ、ずっとレベル1や2にとどまっているのもよくない。相手に「この人には何を言っても大丈夫」と思わせてしまう。徐々にレベルを上げて対処していくのだ。
最後に。
やり返すことは目的ではない。なめ行為をやめさせることが目的である。だからこそ、反撃のレベルを戦略的に調整するスキルこそが、真の「なめ返し力」と言えるのだ。