結局、低姿勢こそが最強のビジネススキルである

「モテない人」のほうが、「仕事がデキる」ようになる理由

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モテなかったことで、仕事がデキるようになった?

同じ部署の上司に対しては「ミスをする私をいつも守ってくれてありがとうございます」となるし、自分をプランナーとしてスタッフに入れてくれた営業には「私をクライアント様のとこに連れて行ってくれてありがとうございます」となり、クライアントに対しても「我が社にお仕事を振ってくださいましてありがとうございます」となる。雑用をする派遣社員の女性に対しても「いつも業務の支援をしていただきありがとうございます」と思った。

結局モテなかったことにより、誰にでも感謝するようになり、しかも低姿勢になっていく。以後、不思議なことなのだが、仕事がスムーズに回り始めるようになったのだ! 正直、入社3年目の初頭まではまったく使い物にならない社員だったと思う。

だが、こうした低姿勢を身につけてからは、クライアントや外注先との関係も良好になり、上司を通じて「中川さんは頑張ってくださって感謝していますよ」なんてお言葉ももらえるようになった。

結局会社は2001年に4年で辞めてしまったわけだが、その後フリーになってからも、基本的には低姿勢で発注主に接していたところ、仕事が仕事を生み、初年度の年収60万円から翌年は400万円、その翌年は800万円とグイグイと上昇していった。そうなると、何が発生するかといえば、モテるようになるのだ。

2003年当時、多分若いフリーのライターの中ではそこそこの権限が与えられ、雑誌の特集を作っていたのだが、「仕事ができる」ということで女性から誘われるようになり、いわゆる「モテ期」がやってきた。その時に彼女達が言ったのはコレである。

 

「あなたはガツガツしていないし、すごく低姿勢で優しい。だから好き」

 

「モテない今」に向き合い、未来への糧にせよ!

かつて「モテない」ことを人生最大のコンプレックスとして抱いていた人間が、その10年後にはモテていたのだ。

恐らく1993年の頃は「卑屈」でしかなかった。これは「低姿勢」ではない。様々なキツい体験をした結果、「低姿勢」を身につけたところ、仕事ももらえるし、女性からもモテるようになる。だからこそ低姿勢でいることに越したことはないな、と考えたし、45歳になった今でもその姿勢を保ち続けているのだ。

こんなことになるわけなので、若い方で今現在モテていないことに憤りを覚えている方もいるかもしれないが、それはトラウマではなく、バネにせよ! と言いたいのである。そして、自分に対して良く接してくれる人には感謝をせよ、とも言いたい。

こんな心持ちを20代後半段階で持つことができたため、その後は順調に仕事がもらえ、それに伴って女性にもそれなりにモテて、今現在は非常に幸せな人生を送っている。

さて、1993年当時から今に至る実に恥ずかしい話を今回は紹介させていただいたが、昨年、私は女性向けの恋愛サイト「AM」で恋愛を成就させたい女性を対象に対談をしたりイベントに参加したりした。

イベント参加者はハッキリ言ってしまえばかなり素敵な女性揃いであった。「あの時のモテなかったオレのことを考えればなんでこんな素敵な人々が真の恋愛を見つけられないと悩んでいるの?」と思った。

しかしながら人の悩みはそれぞれ。今現在の「モテない……」という気持ちが数年後の栄えある人生をもたらしてくれるんですよ、といったことを実感とともに話したのである。

 

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プロフィール

中川淳一郎
中川淳一郎

1973年東京都生まれ。ネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。ライター、雑誌編集などを経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『縁の切り方 絆と孤独を考える』『電通と博報堂は何をしているのか』『ネットは基本、クソメディア』など多数。

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