では、この「執着」からどう抜け出したらよいのでしょうか。
ここで大切なのが、まず「執着」そのものを否定しないことです。
「執着」は、自分が弱いことが原因で生まれるのではありません。
人間は誰しも「比較する」クセを持っており、ごく自然に起こる現象です。
ですから、自分が問題であるなどと責める必要はないということです。
さらに、他人のことも、自然に吹く風のようなものだと認識してください。
風は吹いたり止んだり、強い弱いもまばらであり、あちこち向きも変わったり、決してコントロールできるものではありません。
その風に反応して枝葉のように揺れ動いて生きていると、心はいつまでも安定しませんし、疲れてしまいます。
ですから、意識して「執着」する矛先を変えてみましょう。
風のように気まぐれな他人へ向けるのではなく、風を受け止める木の幹である自分自身に向けてみるのです。
これは、自分の軸を育てることに繋がります。
この軸とは、「自分はどう生きていくのか」「何を大切にしたいのか」「何をすべきなのか」という、自分の生き方の指針となる価値観のことです。
ただ、注意しなければならないのは、ここでいう価値観とは、欲求のままに自分の好きなことばかりを追求する「わがまま」とは違うということです。
これを誤解してしまうと、「こうあるはずだ」「こんなはずではない」といった不平不満の増大につながってしまいます。