そもそも私たちはなぜ他人を探ってしまうのでしょうか。
その行動の奥にある「気持ち」に焦点をあてて考えてみたいと思います。
大切なのは、行動そのものよりも、その行動を引き起こす原因が何なのかを把握することです。
その原因とは、「煩悩(ぼんのう)」によるものです。
一般的には、欲望として認識されることが多いと思います。もちろん、間違いではありませんが、実はそれは「煩悩」の一側面にすぎません。
「煩悩」は、三毒と言われる
「貪(とん)」(むさぼりの気持ち)
「瞋(じん)」(いかりの気持ち)
「癡(ち)」(素直になれない気持ち)
という三つの要素から成り立っています。
これらが化学反応を起こし、さまざまな言動を生んでいくと考えられています。
さらに踏み込んでいくと、「煩悩」の正体が明らかになります。
三毒の成分は、団子三兄弟のようなもので、「一本の串」で串刺しにすることができます。
その一本の串とは、「自分の都合の良いように計算する心」です。
噛み砕いて表現するならば、「自分を可愛がる心」といえます。
これが「煩悩」の根底にはたらいている心なのです。
このことを踏まえた上で、他人のことを探ってしまう心の奥底にあるものを考えてみましょう。例えば、次のような気持ちが隠れてはいないでしょうか。
「自分がどう見られているか不安」
「嫌われたくない」
「置いていかれたくない」
「誰かに認められたい」
「自分に自信が持てない」
「孤独を感じている」
もしかしたら「こんな感情は抱いていない」となかなか認められない方もいるかもしれません。
しかし「他人が気になってしまう自分」を冷静に、客観的に見つめてみると、どこかにこれらの感情が潜んでいるのではないでしょうか。
これらはすべて「自分を可愛がる心」から生じる気持ちなのです。
誰しも傷つきたくありません。
知らず周囲の脅威から自分を守ろうとしています。
だから他人の行動や言葉に敏感になります。
そして不安を埋めるために、相手の情報を集めようとするのです。