入社1年目の営業スキル

自己開示こそ信頼関係構築の第一歩

2017.08.03 公式 入社1年目の営業スキル 第11回
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「開放の窓」を大きくして自己開示せよ

「開放の窓」を大きくした結果、私自身、大きく変わったことが2つありました。

1つめは、お客さまとの信頼関係が深まり、仲がよくなった設計担当者から、競合他社に声をかける前に、私に問い合わせをしてくれるケースが増えてきたことです。

営業マンにとって、どこよりも早く声をかけてもらうことは、競合他社よりも先に商品を提案できるため、圧倒的に有利な状況となります。まだ客先の商品仕様が完全に決まっていない時であれば、競合他社には存在しない商品や、自社にとって生産がしやすい、または利益率が高いなど、有利な商品を提案することもできます(もちろん、お客さまのメリットが第一であることは忘れないでください)。

または、これから開発が必要になる商品であれば、どこよりも早く商品開発に取りかかれるため、見本の提示、試作品の評価などの反応が他社よりも早く得られ、かなり有利な状況になります。まさに、営業マンにとっての理想の状態を築くことができるわけです。お客さまが開発を急いでいる案件の場合、他のメーカーとさほど遜色がない商品であれば、先に採用決定してもらえることもあります。

2つ目は、先方の購買担当者から、競合他社よりも先に価格の相談をされるようになったことです。購買、資材、調達など、メーカーによって部署の呼び名は違いますが、価格の最終調整をする部署です。

競合他社の概算価格が出揃ってからの見積り依頼は、たいていの場合、すでに決定している他の部品メーカーの価格を下げるために依頼された、当て馬的な存在になりがちです。このような見積り依頼しかないうちは、なかなか商品を採用してもらうことはできません。

反対に考えれば、お客さまから先に価格の相談をいただける時は、自社商品の採用を優先的に考えていただいていることが多いのは当然です。他社よりも先に声がけをいただき、お互いに納得のいく価格の提示ができたことで、すぐに採用決定となったことは何度もあります。

これは、ジョハリの窓で「開放の窓」を大きくしたことにより、お客さまとの信頼関係が構築でき、人間同士の親密度が高くなったからこそ、「先に声がけをしていただく」ことができるようになったのです。

お客さまのニーズを正確につかみ、ニーズに合った提案ができるようになったら、次に目指すべきことは「競合他社よりも先に声をかけてもらう」ことです。そのためには、お客さまとの信頼関係をより強固にしていかなければなりません。そこで最大の要因になるのが「自己開示」だと覚えておいてください。

次回に続く

 

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プロフィール

大岩俊之
大岩俊之

理系出身で、最新のエレクトロニクスを愛する元営業マン。
大学卒業後、電子部品メーカー、半導体商社など4社で法人営業を経験。いずれの会社でも、必ず前年比150%以上の営業数字を達成。200人中1位の売上実績を持つ。
独立起業を目指すなか、「成功者はみな読書家」というフレーズを見つけ、年間300冊以上の本を読むようになる。独立起業後、読書法やマインドマップ、記憶術などの能力開発セミナー講師をしながら、法人営業、営業同行、コミュニケーション、コーチングなどの研修講師として7,000人以上に指導してきた実績を持つ。年間200日以上登壇する人気講師として活躍している。
主な著書に、『格差社会を生き延びる“読書”という最大の武器』(アルファポリス)、『読書が「知識」と「行動」に変わる本』(明日香出版社)、『年収を上げる読書術』(大和書房)、『1年目からうまくいく! セミナー講師超入門』(実務教育出版)などがある。

著書

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