しんどいときに大事なのは、昔やっていたことを、そのまま元に戻すことではありません。
年齢も、体力も、環境も、役割も変わります。
以前と同じようにはできないこともある。
だから大切なのは、行為そのものを取り戻すことではなく、その行為の中にあった自分らしさを見つけ直すことです。
家庭菜園をしていた人なら、取り戻したいのは畑そのものだけではないかもしれません。
土に触れること。
季節を感じること。
自分の手で何かを育てること。
誰かに収穫を分けること。
「今日も自分にはできる」と感じること。
そこに、その人らしさの手がかりがあります。
だから、まず問いを変えてみます。
何を戻すか、ではなく。
何に価値を感じていたのか。
何を再開するか、ではなく。
何が楽しかったのか。
昔と同じようにできるか、ではなく。
自分は何が得意だったのか。
そして、自分はどんな役割を担ってきたのか。
支える人だったのか。
整える人だったのか。
作る人だったのか。
聴く人だったのか。
教える人だったのか。
人をつなぐ人だったのか。
自分らしさは、頭の中だけにあるものではありません。
これまでやってきた行為の中にあります。
担ってきた役割の中にあります。
小さな得意の中にあります。
なぜか楽しかったことの中にあります。
意味のある行為にふれるとは、昔に戻ることではありません。
今の自分に合う形で、自分らしさの手がかりをもう一度拾い直すことです。
そこから少しずつ、削られていた力が戻りはじめるのだと思います。