先の例は、息子の自信を育てるというわかりやすいものでしたが、自己効力感に着目するというのは、すべての問題に応用できる視点です。自己効力さえあれば、困難な問題にも立ち向かえるようになるのです。
算数の好き嫌いだけでなく、食べ物の好き嫌いにも。家事の分担、子どもの教育方針、夫婦の会話のすれ違いといった厄介な問題にも向き合う礎になります。
では、最後に自己効力感の基礎的な考えを見てみましょう。自己効力感が形成されるには、以下のような流れがあります。
1.「やればできる」という信念
↓
2.前向きな行動・チャレンジ
↓
3.成功体験・結果
↓
4.自信の強化
そして「4.自信の強化」は「1.「やればできる」という信念」をさらに強化するため、永久機関のように無限に稼働するサイクルとなるのです。
ですが、多くの場合そんなにうまくはいきません。必ずどこかでつまずいてしまいます。
「やってもできない」という考えにとらわれ、チャレンジに後ろ向きに。挑戦してみても、うまくいかず失敗ばかり。失敗を繰り返すことで、自信をさらに喪失していく。こうして自己効力感のサイクルは逆回転し、自信を奪うサイクルが稼働してしまうのです。
だからこそ、自己効力感のサイクルをうまく回転させるための工夫が必要になります。その工夫の1つに、私が息子に対しておこなっていた「仕組みづくり」と「声掛け」があります。
まず最初にやるべきことは、小さな成功を発見して、自信につなげていくものです。私は、息子に対し、少ないながらも解けた問題や、解けそうだった問題を指摘していきました。
次いでやるべきことは、前向きにチャレンジさせることです。時間制限をなくしたり、問題のレベルを調整したりしながら、息子に成功体験を実感させました。
そして最後は、ポジティブな声掛けです。チャレンジを続けているとうまくいかない結果に直面することも少なくありません。そうした際に失敗を前向きにとらえ直すことができるような声掛けをするのです。
家族の問題に向き合うのは、大変なものです。だからこそ根気強く向き合うための心構えが必要になります。その心の基礎となるのが自己効力感です。
「やればできる」という信念を持ち、前向きな行動・チャレンジし、成功体験・結果を積み重ね、自信の強化ができれば、家族はより一層まとまるはずです。