2021東京ヤクルトスワローズ 高津流 燕マネジメント

今年は厳しさを上乗せして挑む――
「このままでは、いつまでも変われない」

2020シーズン、未曽有の事態に見舞われる中で、リーグ最下位という悔しい結果に沈んだ東京ヤクルトスワローズ。今季は心機一転、投手陣の補強を最優先に掲げ、再起を誓う。
昨シーズンを踏まえ、「今年はさらに厳しくいく」と宣言する2年目の高津監督は、新戦力が加わった新たなスワローズをどのように変革し、リーグ制覇を目指していくのか。
本連載では、今年もインタビュアーに長谷川晶一氏を迎え、高津監督の組織論から、マネジメント術、若手育成術まで余すところなくお届けしていく。

(インタビュアー:長谷川晶一)

――いよいよ、2021(令和3)年のペナントレースが始まります。まずは、開幕を直前に控えた現在の心境を教えてください。

高津 「いよいよだな」という楽しみな気持ちですね。去年もそうだったけど、開幕までは本当にワクワクしています。選手たちが高いレベルで競争をしている姿を見たり、練習試合やオープン戦で期待の選手が結果を残したりすると、本当に嬉しいし、楽しいです。でも、それは開幕当日までですね。そこからはずっと不安の方が勝りますから。

――2年連続最下位で終わった昨シーズンから、秋季練習、春季キャンプを経て、この日を迎えました。監督1年目と、2年目の今シーズンとでは、監督自身の心構えや意識などに変化は生じましたか?

高津 1年目の昨年と比べると、自分でも「ちょっと厳しくなったな」という思いはありますね。「厳しい」というのは置かれている環境、状況が厳しいという意味ではなく、僕自身の物の見方が厳しくなったという意味です。たとえば昨年だっら、「まぁ、これでいいだろう」と思っていたことも「これじゃあダメだ」「もっとこうしなきゃダメだ」という見方に変わった気がします。

――具体的にはどういう点を厳しく見るようになりましたか?

高津 選手に対する注文は確実に厳しくなりましたね。ちょっと具体的には言えないんですけど、技術面、精神面、野球への取り組み方、すべてにおいて「上辺だけじゃダメだ」「もっと掘り下げなくちゃ」という思いになりました。そのために取り組むべきことは、昨年よりもさらに深く掘り下げて取り組んだつもりです。

――「取り組むべきこと」とは、どんなことでしょう?

高津 バッターのことはコーチに任せていますけど、投手についてはコーチだけではなく、僕自身も細かい点まで注文を出すようになりました。当たり前のことができていなければ、いつまで経っても何も変わらないですから。

――今春のキャンプで大きな話題になった古田敦也氏の臨時コーチ就任もその一環ですか? これはどういう経緯で実現したんですか?

高津 昨シーズンの全日程が終了したのが11月でしたよね。その直後に古田さんにお会いしたときに、話の流れで僕の方から「来年のキャンプのお手伝いをしてくれませんか?」とお願いしました。この時点では球団にも何も相談していないし、あくまでも僕の思いつきでのお願いでした。

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プロフィール

高津臣吾
高津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

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