東京ヤクルトスワローズ 髙津流マネジメント2025

3年ぶりの8連勝、村上・長岡の戦列復帰!
「チームのムードもとてもいい状態になっている」

野球の神様はきちんと見ていてくれる

――やはり、チームの調子がいいと当然、雰囲気は明るくなります。ベンチ内の選手たちもムード作りには重要な戦力となりますね。

髙津 野球人ってすごく単純で、勝ってると嬉しいし、負けてると落ち込んでしまうんです。連敗が続いているときに1点取られてしまうと、「もう負けた」みたいな雰囲気になりがちなんです。まだ試合序盤の3回で0対1なんて、まだまだわからないじゃないですか。でも、なかなか元気が出ないところに、例えば山野辺にしても珠にしても、マルにしても、すごくポジティブで前向きな声を出してくれたりとか、さっき言った丈とヘッドのやり取りだったりとか、暗いムードをちょっと楽にしてくれるんです。スタメンでは出ていないけど、「元気で大きな声」も大事な戦力だと思います。

――宮本選手と言えば、左の代打の切り札として結果を残しているだけじゃなくて、ベンチ内でも大切な役割を担っていたんですね。

髙津 丈は、選手たちの間でも応援団が多いですよ。先輩からもそう、後輩からもそう。丈が出場する場面はそもそも大事な局面が多いけど、それだけじゃなくて、みんなが「ここで1本打ってくれ」って願っていると思いますよ。本当によく練習している姿をみんなは見ているし。ジャイアンツ戦で決勝タイムリーを打った場面がありましたよね。

――8連勝のきっかけとなった7月17日のジャイアンツ戦ですね。2対2の同点で迎えた8回裏、代打で登場した宮本選手はサードへのタイムリー内野安打を放ちました。決していい当たりではなかったけれど、執念で放ったヒットでした。

髙津 そうそう。他の選手たちはみんな「丈さんはいつもバットを振っているな」とか、「丈はまたバッティング練習をやってるよ」ということをみんな見ている、みんな知っているので、あの日の内野安打もそうでしたけど、丈が打つと、自分が打ったかのように喜んでいますよ。あのヒットを見て、つくづく感じましたよ。

――何を感じたのですか?

髙津 何て言うんですかね……、「やっぱり、野球の神様ってちゃんと見ているんだな」って思いましたよ。コツコツと一生懸命、努力している人には、野球の神様がたまにご褒美をくれるのかもしれないですね。丈のヒットを見て、そんなことを感じましたね。試合に負けはしたけど、8月1日のタイガース戦でも、9回に同点打を放ったし、本当に頑張っていると思いますね。

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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