Google CloudシニアAIセールススペシャリストのAoki Roy氏は、GoogleのAIの歴史から最新の生成AIソリューション「Gen Media」まで、圧巻のプレゼンテーションで会場を魅了した。

Gen Mediaは、Google Cloudが企業向けに提供するクリエイティブ系のAIモデルの総称だ。動画生成モデル「Veo」、音楽生成モデル「Lyria」、テキスト読み上げ・音声複製技術「Gemini TTS」など、画像・映像・音声・音楽を横断する豊富なラインナップを持つ。特にVeoの最新版は4Kレベルの解像度での映像生成に対応し、プロのポストプロダクション現場でも活用が進んでいるという。サイバーエージェント、KDDI(タチコマAI)、TBSドラマへの活用など、名だたる企業の導入実績も次々と紹介された。
Aoki Roy氏が印象深い事例として取り上げたのが、TBSのプロデューサーの言葉だ。
「ドラマは人にしか作れない。でも放送現場では時間に追われて、本当はやりたいのに諦めていることがたくさんある。生成AIを活用することで、諦めていたことができるようになる。その空いた時間を人間がよりクリエイティブなことに使えるようになる」
これをもとに「生成AIと人間のクリエイティビティを融合させることで新しい世界が作れる」と力強く語ったAoki Roy氏は、AIの時代に大切なものとして「物語・創造力・情熱」の3つを挙げた。
「いかにもAIと関係なさそうに見えるかもしれませんが、この3つこそが大事だと思っています。テクノロジーはあくまでも道具です。AIというテクノロジーを使って、もっと日本を元気にしていきたい。それが私の一番のモチベーションです」
アニショートの登場により、アニメ制作はもはや特別なスキルやチームを持つ者だけの特権ではなくなった。ストーリーを言語化できれば、誰でも1台のPCで、コーヒー1杯分のコストで、本格的なアニメーション作品を生み出せる時代が到来しようとしている。
くりえみ氏が切り開くIPの新しいあり方は、クリエイターと権利、AIと産業の関係を根本から問い直す。Aoki Roy氏が描く「人間のクリエイティビティとAIの融合」というビジョンは、その未来を技術面から力強く支える。
この夜、Google Japan渋谷本社に集まったクリエイターたちは、そのスタートラインに立ち会った。ここから生まれる作品と、その先に広がる世界を、引き続き注目していきたい。
(取材・文=昼間たかし)