マツキヨココカラ、高収益ビジネス構造の裏側…食品比率を下げ純利益14.9%増

「化粧品のPBで成功するかどうかは、価格の安さではなく“このブランドでしか買えない”という指名性をつくれるかにかかっています。マツキヨココカラは口コミメディアの子会社化などデータ基盤への投資を進めており、開発の精度を上げる仕組みを持っている点が強みです」(同)

「巨大化する連合」と「高収益ブランド」、勝者はどちらか

 ドラッグストア業界は今、大きな再編の渦中にある。2025年12月1日、ウエルシアホールディングスとツルハホールディングスの経営統合が完了した。ツルハホールディングスを存続会社としてウエルシアホールディングスを完全子会社化する形で、統合後の売上高は約2兆3124億円、国内店舗数は5659店舗に達し、ドラッグストア市場の2割超のシェアを持つ巨大グループが誕生した。新生ツルハホールディングスは「ドラッグストアから、人生に寄り添うライフストアへ」というビジョンを掲げ、調剤薬局機能や介護関連事業なども含めた「規模の経済」による成長を志向している。

 一方のマツキヨココカラ&カンパニーは、2026年3月期に売上総利益率35.1%、営業利益率7.7%と、いずれも業界トップ水準の収益性を確保した。同社の戦略は、店舗数や売上高の規模拡大を最優先するのではなく、粗利率の高いカテゴリーへの特化と、都心一等地での坪効率最大化によって「質」で稼ぐという方向性に貫かれている。もっとも、2027年3月期は外形標準課税の対象拡大や調剤報酬改定に伴う会計処理の変更により、営業利益段階では増益率が鈍化する見通しも示されており、実際の経営環境が常に追い風とは限らない点には留意が必要だ。

「規模の経済で稼ぐ巨大連合」と「粗利率とブランド力で稼ぐ高収益企業」という、性質の異なる2つの勝ちパターンが同じ業界の中で併存している構図は、ドラッグストアに限らず、あらゆる小売・サービス業にとって示唆に富む。安易な価格競争や、来店頻度を上げるための安易な取扱商品の拡大(いわゆる「何でも屋化」)は、粗利構造を悪化させ、自社の首を絞めかねない。むしろ、自社の強みが最大限に活きる立地と商品カテゴリーを見極め、そこに経営資源を集中させることこそが、高コストな環境下でも利益を生み出す近道になり得る。ドラッグストア戦国時代における各社の選択は、今後も業界の内外から注視されることになるだろう。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=永田由紀/流通コンサルタント)

【主な参照データ】
マツキヨココ(3088) 2027年3月期 第1四半期決算短信
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