氷の宰相は踊り場の賢者に恋をする
貧乏男爵家の娘・リリアは、王城で掃除や洗濯を担当する下働きの侍女。将来は自立して生きていくため、高位貴族の侍女を目指し、今日も同僚のミーナと慌ただしい毎日を送っている。
そんな二人の密かな楽しみは、階段の踊り場にある「匿名相談掲示板」。王城で働く職員たちが悩みを投稿し、誰でも匿名で回答できるその掲示板では、毎週さまざまな相談と、それに寄せられた知恵が張り出される。
ある日、「野菜が高くて食費が苦しい」という相談を目にしたリリアは、「安い野菜へ切り替えたり、厨房で余る食材を分けてもらえたら助かるのに」と何気なく口にする。ところが、その言葉を面白がったミーナが勝手に回答として投稿してしまう。
一方その頃、王国では長雨による野菜不足が深刻化していた。宰相アルベルトは、王子から渡された掲示板の回答を読み、その何気ない一言に、机上の資料では気づけなかった「現場の視点」を見いだす。そしてリリアの曖昧な願いを、王城の制度として実現していく。
本人はただ「こうなれば助かるのに」と思っただけ。制度を作る力はない。けれど、その言葉を拾い上げ、形にする人物がいた。
これは、名前も知らない二人が、匿名の言葉を通して少しずつ互いに惹かれていく物語。
一つの優しい言葉が、誰かの暮らしを変え、やがて王城そのものを少しずつ変えていく――。
心温まる異世界お仕事ラブコメディ。
♢ ♢ ♢
目に留めて頂きありがとうございます。
処女作となります。
目標はとりあえず完走。
ゆっくり書いていこうと思いますので、どうか長い目でお付き合いくださいますと嬉しいです。
♢ ♢ ♢
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一つの優しい言葉が、誰かの暮らしを変え、やがて王城そのものを少しずつ変えていく――。
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