叶ったことを僕だけが知っている

夢の中で、何度も出会う誰かがいた。
顔も知らない。言葉も交わしていない。
それでも僕は、彼女を探していた気がする。
いつからなのか、なぜなのかも分からないまま、
ただ静かに、確かに願い続けていた。

けれど現実の僕は、何も持たず、どこにも進めずにいる。
動けない日々のなかで、ひとつの光だけが胸に残っていた。

それは誰にも知られず、
誰にも理解されず、
けれど僕だけが信じ続けてきた、
“ある夢”の物語。
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