縁側のコンサルタント、世界へ
長野の山あいで「幻の緋色大根」を育ててきた五十五歳の農家・美智子。娘が都会へ出て家が静まり返る中、自分の人生はこのまま土に還るだけなのかという焦りを抱えていた。そんなある日、娘の勤める高級レストランのシェフが美智子の大根に惚れ込み、「ストーリーを聞きたい」と言い出す。プレゼンもパソコンも触れない美智子は戸惑うが、AIアプリ「Felo」と出会い、三十年の経験と想いが“言葉の翼”となって形を持ち始める。科学的根拠と世界の食トレンドを織り交ぜたスライドは、都会の天才シェフを唸らせ、やがてニューヨークやパリのバイヤーたちへと届いていく。土に染みついた手で守ってきた野菜が、AIという相棒を得て世界へ羽ばたくとき、美智子自身もまた新しい人生を切り拓いていく――地方の小さな畑から始まる、誠実さと情熱のグローバルストーリー。
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