サクリファイス・オブ・ファンタズム 〜忘却の羊飼いと緋色の約束〜
───────魔法使いは人ではない、魔物である。
この世界で唯一『魔力』を扱うことができる少数民族ガナン人。
彼らは自身の『価値あるもの』を対価に『魔法』を行使する。しかし魔に近い彼らは、只の人よりも容易くその身を魔物へと堕としやすいという負の面を持っていた。
人はそんな彼らを『魔法使い』と呼び、そしてその性質から迫害した。
四千年前の大戦に敗北し、帝国に完全に支配された魔法使い達。
そんな帝国の辺境にて、ガナン人の少年、クレル・シェパードはひっそりと生きていた。
身寄りのないクレルは、領主の娘であるアリシア・スカーレットと出逢う。
領主の屋敷の下働きとして過ごすクレルと、そんな彼の魔法を綺麗なものとして受け入れるアリシア……共に語らい、遊び、学びながら友情を育む二人であったが、ある日二人を引き裂く『魔物災害』が起こり――
アリシアはクレルを助けるために片腕を犠牲にし、クレルもアリシアを助けるために『アリシアとの思い出』を対価に捧げた。
――スカーレット家は没落。そして、事件の騒動が冷めやらぬうちにクレルは魔法使いの地下組織『奈落の底《アバドン》』に、アリシアは魔法使いを狩る皇帝直轄組織『特別対魔機関・バルバトス』に引きとられる。
記憶を失い、しかし想いだけが残ったクレル。
左腕を失い、再会の誓いを胸に抱くアリシア。
敵対し合う組織に身を置く事になった二人は、再び出逢い、笑い合う事が許されるのか……それはまだ誰にもわからない。
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この小説はダブル主人公であり序章では二人の幼少期を、それから一章ごとに視点を切り替えて話を進めます。
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