飼い主との思い出
十五年間、ずっと一緒だった。
子犬の頃、この家にやって来た日。
ご主人様と一緒にいたずらをして怒られたこと。
毎日玄関で帰りを待ったこと。
散歩で行きたい方向が合わずに引っ張り合いをしたこと。
たくさんの思い出を重ねながら、犬は家族と共に歳月を過ごしてきた。
やがて時は流れ、ご主人様は大人になり、犬は老いていく。
そして迎えた、ある特別な日。
なぜか今日は、家族みんながそばにいてくれる。
なぜか今日は、みんなが優しく名前を呼んでくれる。
犬はまだ気づいていない。
それが家族と過ごす最後の時間だということを――。
犬の視点で描かれる、家族との絆と愛情の物語。
大切な存在を見送ったことのあるすべての人へ贈る、心あたたまる感動短編。
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