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時間を巻き戻した代償は、世界から自分の存在が消えることだった。
昨日まで自分を「芳乃」と呼んでくれたアルベールも、もう彼女を知らない。
すべてを失った芳乃。
けれど――世界中が彼女を忘れたはずなのに、学園の古い大樹だけが、彼女の名前を呼んだ。
「――よしの」
なぜか胸によみがえる、遠い記憶。
誰かと笑ったこと。名前を呼び合ったこと。
そして、「また会おう」と交わした約束。
やがて芳乃は、長い時を越えて一人の少女と再会する。
その少女の名前もまた――「芳乃」。
二人の芳乃が、新しい時間を歩き始める。
少し不思議で、温かな物語。
文字数 9,943
最終更新日 2026.10.04
登録日 2026.09.27
初めて出した電子書籍が、売れた。たった一冊だけ。
購入者の名前も顔も分からない新人作家・玲は、その謎の読者を勝手に「第一号さん」と命名する。
そして想像の中の第一号さんは、なぜか薔薇をくわえた貴族風の美青年へ。
販売数は「1」のままなのに、ランキング1位をきっかけに第一号さんだけがどんどん豪華になり、ついには最高レア級の輝きを放ち始めて――。
顔も名前も、男か女かさえ分からない。
それでも確かに、自分の物語を選んでくれた「たった一人」がいる。
一冊の売上から始まる、新人作家と名も知らぬ第一号読者の、ちょっとおかしくて少し温かい物語。
文字数 3,276
最終更新日 2026.09.08
登録日 2026.09.08
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