「杖持たず」の旧式魔術師 〜機械音痴は手動の魔術で時代を追い抜く〜

〜冒頭のあらすじ〜

21世紀の初頭のある日。
日本に生きている大学生である「土間 明成(どま あきな)」は、興味本位から手に取った奇書に没頭し、真理に到達してしまう。

しかし、世界の真理というものは、人間の脳では理解できない程の容量であり、明成は真理の断片を握りしめたまま狂死してしまった。

明成の魂は宇宙の果てを彷徨い、時空を超え、やがて記憶を引き継いだまま、異世界にて、「プラティエ・ノルン」として転生する。

しかし、プラティエとして生まれた明成は、ある重大な欠陥を抱えて生まれてしまっていた。

アナログは当然、デジタルさえもネイティブと呼ばれる世代の人間とは思えない程の、機械音痴になっていたのである。

魔導技術の発展により、呪文を詠唱せずとも、杖にはめ込んだ宝石に対応する魔術の名前を口にするだけで魔術を発動できる半自動魔術は、プラティエとって天敵とも言える技術であった。

半自動魔術をまともに使えないプラティエにとって、唯一魔術を使う術があるとするならば、それは魔導書(カンニングペーパー)を便りに呪文を唱えることのみ。

しかし、当然ながら、半自動魔術が主流である時代において、手動魔術は旧式と化して久しかった。

それでも、プラティエは魔術師を志す。

転生する前の世界で真理を掴んだプラティエに、異世界の真理を探究しない選択肢は無かった。

半自動魔術は使えない、それどころか魔術が関係しない機械さえもまともに使えないプラティエの魔術師ライフが、幕を開ける。

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