石田部長
藤田哲也は、父親の急逝により、何の準備もないまま父親の経営する会社を継がなければならなくなった。
さらに追い打ちをかけるように、父親の片腕として働いていた営業部長が体調不良を理由に退職することになった。
途方に暮れた藤田は、あの世の人間と交信ができるという特技を生かして、日頃の相談相手であるモモタさんという霊を呼び出した。
そこで、モモタさんを通じて、あの世にいる優秀な人物を一年間この世に派遣することのできる制度があることを知った藤田は、派遣可能者リストの中から石田三成を選び、呼び出した石田三成の霊に今現在置かれている状況や希望を伝えた上で、一年間だけ営業部長を務めてくれるようにお願いをした。
その願いを聞き入れた石田三成は、石田三男という名の現代人に扮してこの世に舞い降りた。
新しい営業部長として、営業部内の改革に乗り出す。
会社の業績を良くするために、仕事の進め方や人の配置などを変えていった。
持ち前の融通の利かなさや人の心を読めない性格が災いして周囲との間で軋轢を生むことがあったものの、誠実な人柄が評価され、石田三成は着実に部下の心をつかんでいった。
藤田自身も、石田三成の助けを借りながら、会社を切り盛りしていくための能力を身に着けていった。
そんな中、派遣の最後日を迎えた。
社員総出の送別会を終え、石田三成と二人で深夜の会社に戻った藤田は、別れを惜しみながら石田三成と最後の時間を過ごした。
そして、午前零時を迎え、石田三成がこの世から姿を消した。
石田三成と最後に交わした言葉を思い返した藤田は、今後の己の生き方というものを悟った。
さらに追い打ちをかけるように、父親の片腕として働いていた営業部長が体調不良を理由に退職することになった。
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