映した鏡

 親が離婚をするらしい。
 現代社会において離婚率は三割を超えるようで。
 だから気にする事では無いみたいで。
 或いは辛いね辛いねと慰められる事のようで。

 私の気持ちは宙ぶらりんだ。
 誰も掴めやしない。
 誰も理解はしてくれない。
 勿論、宙へ浮いた気持ちは私にも知れない。

 周りに求められている自分も。
 悲劇の最中にいる気の自分も。
 きっとどちらも自分じゃ無い。
 そもそも自分なんてずっと居なかった。

 誰かに依存していたんだって気付いた。
 友達に、憧れの人に、親戚や、両親に。
 愛されていたかったから。
 愛される着ぐるみを着たんだ。

 それに気付いたからかな。
 いいや、そんなの関係無かった。
 そんなのは一人の時間が生んだ只の自己分析で。
 結局はただ逃げ出したかっただけなんだ。

 何も考えたくなくてここに着いた。実習棟一階の階段横の物置。ここには誰も来ないし、来たところで皆無関心だ。けれど逃げた先でも、自分自身は絶対に私を逃がしてくれはしなかった。
 そこへふらっと貴方が現れた。ボロボロの身体で、反骨の心を顕にした顔つきで。貴方を一目見ただけで、私は少し救われた気がした。貴方は俯いて泣いていた私を見て、どう思っていたんですか。
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