「無能」と婚約破棄されたら、冷酷公爵様に見初められました
「――よって、この婚約は破棄とする!」
広間に響き渡った王太子アルベルト殿下の宣告に、会場はどよめいた。
舞踏会の最中に、衆目の前での断罪劇。まるで物語に出てくる悪役令嬢さながらに、わたくしは晒し者にされていた。
「エレナ・グランチェスター。お前は魔力を持たぬ無能。王妃教育を施しても無駄だった。王太子妃の座は相応しい者に譲るべきだ!」
殿下の傍らには、媚びるように腕を絡ませる侯爵令嬢ミレーユの姿。彼女は柔らかに微笑みながら、勝ち誇ったように私を見下ろしていた。
――無能。
広間に響き渡った王太子アルベルト殿下の宣告に、会場はどよめいた。
舞踏会の最中に、衆目の前での断罪劇。まるで物語に出てくる悪役令嬢さながらに、わたくしは晒し者にされていた。
「エレナ・グランチェスター。お前は魔力を持たぬ無能。王妃教育を施しても無駄だった。王太子妃の座は相応しい者に譲るべきだ!」
殿下の傍らには、媚びるように腕を絡ませる侯爵令嬢ミレーユの姿。彼女は柔らかに微笑みながら、勝ち誇ったように私を見下ろしていた。
――無能。
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※全4話+番外編1話のサクッと読める短編です。凄惨な不幸描写はありません。後味爽快な論破劇をお楽しみください。
※2026/07/28 関連作品に接続するために若干修整した「スピンオフルート」を追加しました。
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【「ですよね!シリーズ」について】
本作は「ですよね!シリーズ」の第1作目です。
◆ シリーズラインナップ
・1作目:『真実の愛は何よりも優先される』と婚約破棄した王子、「ですよね!」と言われる。(※本作)
・2作目:『お姉様、そのネックレス素敵ね』と微笑んだ義妹は、何も欲しがっていない件について
・3作目:追放されない重戦士は、商人になりたかっただけなのに
・4作目:婚約破棄で返り討ちにされた元王子、「真実の愛」で世界を救う?
うるさい女だと捨てられたので、殿下の毒見は今日でやめます
「食事のたびに小言、皿を下げれば嫌味。おまえのような口うるさい女はもうたくさんだ!」
星祭りの夜会で、王太子殿下はそう仰って、わたくしとの婚約を破棄なさいましたの。お隣には、天使のように笑う男爵令嬢さま。
よろしくてよ。承知いたしましたわ。
ただ、皆さまおひとつだけご存じありませんの。
わたくしの家は代々、王の食卓を検める御膳番の家系。この十年、殿下の御膳から「お口に合わないもの」を黙って下げ続けてきたのは――わたくしですのよ。
銀の簪を置いて、わたくしは国境の街へ。疑うためだった舌が、はじめて「おいしい」のために使われる場所へ。
さて、それでは皆さま、ごきげんよう。
今宵から殿下の御膳を検める者は、あの城にはおりませんの。