深紅の鬱金香に恋して。 ―人形姫―
精霊の加護を受けた国、レンブラント。強大な魔術師でもあるレンブラント王の娘リニフォニアにはいまは亡き大魔女べルフルールによる呪いがかけられていた。
呪いによって鬱金香の花丈までしか成長できない身体にされてしまったリニフォニアは城から外を出ることを許されず、ドールハウスに囚われた生活をしていた。秘された存在となった次期女王はいつしか人形のように愛らしい姫君、人形姫と呼ばれ、呪われた彼女を救ったものを婿にすると王は告知した。だが、王が解けない呪いを解ける人間は現れずにいた。
あるときリニフォニアはドールハウスの修繕に現れたひとりの若き職人インゼルと知り合い、魔法のように仕事を遂行してゆく彼に惹かれていく。一方のインゼルも、人形のように可憐な彼女を好ましく思うが、身分を理由に湧き出た気持ちを抑え込んでしまう。
そんななか、隣国ヘルミオネの第六皇子スクノードがリニフォニアの呪いを解きに訪れ、一時的に呪いを解いてしまう。スクノードとの婚約が急遽決まったリニフォニアは、婚約期間をともに過ごすためヘルミオネへ行くことに。
突然契約を打ち切られたインゼルは花屋で見かけたリニフォニアと同じ名前の深紅の鬱金香を荷車ごと買い取り、彼女に届けることでこの恋を終わらせようとするが……?
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