クネヒトを、信じたに、すぎない

 小雪が湯けむりを駆け抜ける町で、警察官である俺は、彼女を床下に監禁した。

 連続殺人犯である彼女を捕らえた俺は、こう言った。「あの、姥捨山って、ご存知ですか?」

 若くして工学部の教壇に立っていた彼女は、聡明で、そう言っただけで理解してくれたようだ。

 ……俺が、彼女を利用しようとしていることを。

 そして、俺と彼女の契約は成立した。

 俺は、彼女の身柄を警察には渡さない。

 彼女は、俺の捜査に協力する。

 俺はこうして、床下に監禁した彼女に、事件の謎を解かせることにした……。
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