夜下
光の灯らない闇夜の道を進んでいた少年は、白く輝く星を見つけた。
家族である必要性の無くなった一人ぼっちの孤独な家に記憶喪失の女の子を住まわせることにした和々切時【おわぎりとき】は、彼女の驚異的な知能の高さへの興味と一人の寂しさを埋める為に、己に出来る最大限の施しを与えた。
しかし自分と違って小学校に通えず、同年代の友達を作れず、人というよりはペットのような扱いをしていることに悩まされることになる。
やがて齢六歳にして恋を知る少年は、この不幸な少女をどうすれば幸せに出来るのだろうか?
「私は……わたしは、時くんのこと離したくありません。けれど……きっと人は、頑張ることでしか生きていけないのでしょう。何かに耐えて、何かをやり過ごし、何かを押し付ける。その不幸と幸福の奪い合い押し付け合いを、頑張るという言葉で循環させているはずです」
淑女に言わせた言葉はなんとも重い。惚れた女には自分から切り出していけ!
環境なんて関係ない。お前の本音で救い出せ!
終と始シリーズ【3】
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