【獣人×人間BL】なにをしてもいいのであれば

 借金のかたとして、その身をとある作家の先生に委ねられてしまった、人間の青年である『タダヒト』は、彼の考えた実験への参加を余儀なくされてしまう。
『ある別荘地で、六日間暮らして頂く』
『そのさい、一人の、人間の青年も含めて、共に過ごして頂く』
『彼には、命の危険を伴わない程度なら、なにをしてもいい』
『話しをする。共に過ごす。触れ合う。遊ぶ』
『殴る。蹴る。罵る。甚振る』
『弄る。交わる。辱める。愛する』
『文字通り、なにをしてもらってもかまわない』
『つまり、六日間、なにをしてもいい人間の青年と共に、四人で過ごして欲しい』
『最後の一日に、実験のディスカッションを行い、終了。期間は合わせて、一週間』
 かくして集まった、獣人三人と、タダヒト。文学への利用のためと銘打った、この狂気的な実験の行く末は……

 君になにをしてもいいのであれば、さてなにをしてみようか。
 恋をしてみようか。
 欲を満たしてみようか。
 狂ってみようか。
 なにをしてもいい。彼になら、なにをしても。
 けれどゆめゆめ、忘れてはいけない。
 自分が彼に、なにをしたのかだけは、ね。
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