【飛燕戦記】〜大韓の聖后〜
由子(ヨウ・ヅゥ)は両親と早くから死別し、2つ年上の姉が親代わりとして育ててくれた仲良し姉妹であった。ある日その姉が、たまたま通りかかった領主に見初められて乱暴され、辱められた事を恥じて首を吊り亡くなってしまう。
姉の敵討ちで由子は領主の館に乗り込むが、逆に叩きのめされて打ち捨てられてしまう。己の無力さに絶望して、姉の後を追おうとして首を吊ろうとしている所を、坊主によって救われた。
その坊主に師事して剣術、体術、兵法などを学ぶと才覚を発揮し、僅か3年で全てをマスターする。もう教える事は無いと立ち去った坊主の正体は、超大国・斉の暗殺集団「影」の創設者であった。
由子は、10回繰り出した斬撃が1振りに見えるほどの高速の剣技「飛燕剣」を編み出し、後に「一振り十殺」と天下に恐れられた。
坊主が立ち去った後、由子は領主の館に音もなく忍び込んで見事、仇討ちを果たす。お尋ね者となり亡き姉の仇を討ったものの、己がもっと強ければ姉を救えたのにと、やがて強さだけを求める様になって行く。
折しも中華を支配していた魏帝国は、北方騎馬民族・北遼の南下によって滅亡した。南中華は、斉・楚・呉・秦・越・大南・周・魯の8国の王が支配し、北遼の北伐と魏帝国の後釜を狙っていた。
その頃中華では、斉国の無常鬼(死神)と呼ばれて恐れられた馬光が、天下一の武芸者としてその名を轟かせていた。
ある雨の日、馬光は異様な気配を感じて城壁に向かうと音も無く守衛が倒されていた。北遼の刺客だと思い身構えると、その者からは尋常では無い圧力を感じた。
雨であるにも関わらず、全く足音をさせずに間合いを詰められると、神速の斬撃を受けた。侵入者は両刀使いだった。
目でその剣速を追う事は不可能だったが、それでも剣の軌道を予測して受ける事が出来た。50合も斬り結ぶと、侵入者の剣が折れた。安堵したのか笑みを浮かべてしまった。
すると侵入者は剣を投げ付け、その剣を払っている間に懐に飛び込まれ、折れた剣で喉を掻き斬ろうと一閃された。ギリギリで折れた剣を受けると、侵入者は口を開いた。
「間違えるなよ?俺が負けたのでは無い。俺の名も無き駄剣が、お前の名剣・赤龍剣に負けただけだ」
そう言い放つと侵入者は、バク転をしながら城壁の端に立ち、堀に飛び込んで去った。馬光の首筋には薄っすらと傷があり、折れた剣で無ければ首を失っていたと肝を冷やした。この侵入者こそ、由子であった。
由子は女性である事を秘しており、縁あって大南国(後の晋国)に士官する。この激動の時代をどの様にして乗り越えて、大韓帝国を建国したのかを綴る歴史物語である。
第1部 魏滅んで晋興る
外伝1 南遼の公主
第2部 五柱国の乱
外伝2 趙嬋の後継者
第3部 大韓帝国の滅亡
上記の3部構成+外伝2部構成となります。
姉の敵討ちで由子は領主の館に乗り込むが、逆に叩きのめされて打ち捨てられてしまう。己の無力さに絶望して、姉の後を追おうとして首を吊ろうとしている所を、坊主によって救われた。
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折しも中華を支配していた魏帝国は、北方騎馬民族・北遼の南下によって滅亡した。南中華は、斉・楚・呉・秦・越・大南・周・魯の8国の王が支配し、北遼の北伐と魏帝国の後釜を狙っていた。
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すると侵入者は剣を投げ付け、その剣を払っている間に懐に飛び込まれ、折れた剣で喉を掻き斬ろうと一閃された。ギリギリで折れた剣を受けると、侵入者は口を開いた。
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