二千五百年前の眠り姫
液体窒素の蒸気を怒号が吹き飛ばした。極低温から蘇った男は看護師につかみかかり、鼻骨をへし折ったところで永遠の眠りについた。
真っ白な床に女の大脳だったものが散らばっている。もう一人の看護師が護身用の銃を棺桶の列に向けている。
開かずのフロアが冷凍睡眠保険会社の施設だったことは外部監査の洗い直しで判っていた。つい、数日前の事だ。
ところが、その全容は個人情報保護と厳重なセキュリティーの壁に阻まれて歴史の闇に葬られていた。何しろ大深度掘削用のシールドマシンで地下70メートルに設えられた区画だ。
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