ヤマト創生志②【大陸編】
【物語の始まり】
私たちが暮らす、この平穏な日本列島。
その遥かなる黎明期、のちに「神話」として語り継がれる時代。
列島には、東アジアの海を駆けて交易を営む倭人の民、山や森に根を張る縄文の系譜を持つ民、その二つが融合した出雲の民、そして大陸の技術をいち早く取り入れた東の大国・日高見国の民など、多様な勢力が割拠していた。
のちに神々の都「高天ヶ原」とうたわれる日高見国は、東の茨城を中心とした広大な平地を領し、大陸の秦の頃にもたらされた大陸の技術を取り込み、他国を圧倒する二つの比類なき力を持っていた。
一つは、東国の海岸に無尽蔵に眠る砂鉄から鍛え上げられる「真鉄(まがね)」の武器と道具。
二つ目は、どこまでも広がる原野で独自に育て上げられた、列島で最も頑健な「馬」の群れ、そしてそれを操る「馬具」による騎馬隊の武力である。
火山を抱く東国の大地が生み出す最高純度の鉄と、地を駆ける強靭な駿馬。
これらはすべて日高見国が誇る独自の力であり、その力は大陸の灌漑(かんがい)農業と結びつき、東の平野に果てしない美田をもたらしていた。
国が広大な水路を拓き、膨大な富を国が独占するこの大いなる変革こそが強大な王権を生みだす。
そして、この灌漑農業は、縄文の延長線上にあり、富(米)を皆で分け合う生活を続けていた列島の理を根底から変えつつあった。
そこから時代は流れ、列島を世界規模の過酷な寒冷化が襲った。
その未曾有の寒冷化は大陸では「黄巾の乱」を引き起こし、西日本では「倭国大乱」と呼ばれる大きな争乱を引き起こした。
かつて西の地を統べていた祭祀王朝・出雲は、この大乱に成すすべもなく、その求心力を急速に失っていく。
事態を重く見た出雲王朝は、東の大国・日高見国へ支援を要請し、紆余曲折を経て、食糧援助の見返りとして出雲の統治権をすべて委譲する「国譲り」が執り行われる。
日高見国はさらに、激動の九州の地に邪馬台国の祭祀王としてヒミコを擁立し、九州の大乱を収める事に成功する。
こうして列島は、辛うじて「広域連合」としての平穏を取り戻したかに見えた。
だが、平穏の灯は長くは続かない。
邪馬台国女王・ヒミコの崩御。
それが、列島を再び混沌とした大乱の渦へと引きずり戻す。
この未曾有の危機に、調停の援軍として、日高見国の若き次期王が九州の地へと降り立ち、九州連合はまとまった。
しかし、新たな国の理を求める物語の舞台は、ここから大陸へ向かう。
これは、神による統治が終わりを告げ、人が自らの足で立ち、大いなる和をもって国を興すまでの物語。
のちに「ヤマト」と呼ばれる、新たなる国の建国を巡る志の物語である。
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火山を抱く東国の大地が生み出す最高純度の鉄と、地を駆ける強靭な駿馬。
これらはすべて日高見国が誇る独自の力であり、その力は大陸の灌漑(かんがい)農業と結びつき、東の平野に果てしない美田をもたらしていた。
国が広大な水路を拓き、膨大な富を国が独占するこの大いなる変革こそが強大な王権を生みだす。
そして、この灌漑農業は、縄文の延長線上にあり、富(米)を皆で分け合う生活を続けていた列島の理を根底から変えつつあった。
そこから時代は流れ、列島を世界規模の過酷な寒冷化が襲った。
その未曾有の寒冷化は大陸では「黄巾の乱」を引き起こし、西日本では「倭国大乱」と呼ばれる大きな争乱を引き起こした。
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こうして列島は、辛うじて「広域連合」としての平穏を取り戻したかに見えた。
だが、平穏の灯は長くは続かない。
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それが、列島を再び混沌とした大乱の渦へと引きずり戻す。
この未曾有の危機に、調停の援軍として、日高見国の若き次期王が九州の地へと降り立ち、九州連合はまとまった。
しかし、新たな国の理を求める物語の舞台は、ここから大陸へ向かう。
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