【受賞】約束のクローバー ~僕が自ら歩く理由~
~あらすじ~
小学五年生のコウキは、軽度の脳性麻痺によって生まれつき身体の一部が不自由である。とくに右脚の麻痺が強く、筋肉が強張ってしまう。ロフストランド杖と装具がなければ、自力で歩くことさえ困難だった。
ほとんどの知人や友人はコウキの身体について理解してくれているが、中には意地悪くするクラスメイトもいた。
町を歩けば見ず知らずの人に不思議な目で見られることもある。
それでもコウキは、日々前向きに生きていた。
「手術を受けてみない?」
ある日、母の一言がきっかけでコウキは【選択的脊髄後根遮断術(SDR)】という手術の存在を知る。
病院で詳しい話を聞くと、その手術は想像以上に大がかりで、入院が二カ月以上も必要とのこと。
しかし術後のリハビリをこなしていけば、今よりも歩行が安定する可能性があるのだという。
十歳である今でも、大人の付き添いがなければ基本的に外を出歩けないコウキは、ひとつの希望として手術を受けることにした。
保育園の時から付き合いがある幼なじみのユナにその話をすると、彼女はあるものをコウキに手渡す。それは、ひとつ葉のクローバーを手に持ちながら、力強く二本脚で立つ猫のキーホルダーだった。
ひとつ葉のクローバーの花言葉は『困難に打ち勝つ』。
コウキの手術が成功するよう、願いが込められたお守りである。
コウキとユナは、いつか自由気ままに二人で町の中を散歩しようと約束を交わしたのだった。
果たしてコウキは、自らの脚で不自由なく歩くことができるのだろうか──
かけがえのない友との出会い、親子の絆、少年少女の成長を描いた、ヒューマンストーリー。
※この物語は実話を基にしたフィクションです。
登場する一部の人物や施設は実在するものをモデルにしていますが、設定や名称等ストーリーの大部分を脚色しています。
また、物語上で行われる手術「選択的脊髄後根遮断術(SDR)」を受ける推奨年齢は平均五歳前後とされております。医師の意見や見解、該当者の年齢、障害の重さや特徴等によって、検査やリハビリ治療の内容に個人差があります。
物語に登場する主人公の私生活等は、全ての脳性麻痺の方に当てはまるわけではありませんのでご理解ください。
◆2023年8月16日完結しました。
・素敵な表紙絵をちゅるぎ様に描いていただきました!
完結、おめでとう&お疲れ様です。
自身のハンデを幼いながらもしっかりと受け止め、努力を重ねるコウ君、彼の手助けになろうと一生懸命なユナちゃん。同じ境遇からコウ君と心を通わせるリョウ君。お兄ちゃん大好きなリオちゃん。親として聡し、それでもコウ君と目線を合わせようとするご両親。
皆がコウ君に向き合いながら、コウ君自身も含めて苦難や苦労を越えてゆく姿は、胸にくるものがありました。
実際の経験を交えたであろう苦労の場面や、まだ幼い子達の純粋でこそばゆい恋心、同じように幼いからこそ純粋な友情や、逆に酸いも甘いも知っているからこその両親の愛情。
自分の子供の頃を思い出し、純粋だった頃(あったんですよ)が懐かしくなりました。
また、自分が子供の頃は、ユナちゃんのような優しい子であったかなんてことも考えました。
ただ、個人的に、一番印象に残ったのは関君でした。彼が、ハンデのある人に冷たくなったこと。
個人的な経験談になりますが、ハンデを抱えた人が全てコウ君のようにひたむきで、かつ感謝の心があるとは限りません。
中には「自分は優しくされて当たり前」なんて人もいます。そんなふうに思っているから、平気で、自分の意にそぐわない対応をする人を非難する。実際、そんな人に遭遇したこともあります。
だからこそ、終盤の関君には共感を覚えました。幼いからこそ、自分の母親の善意を踏み躙った人を許せなかった。幼いからこそ、同じ境遇の人が皆同類に見えてしまった。
ひねくれた考え方ですが、世の中は悪意にまみれています。偏見と偽善で人を傷付ける人がいる。自分の評価を上げるために人を貶める人がいる。ただ単に気分ひとつで人を傷付ける人もいる。
そんな悪意の量は、大人になるにつれて周囲に増えていきます。
関君には、そんな悪意から友人を守れる人になってほしい。心に根付いた先入観を完全に捨て去ることは難しくても、「その人を見る」ということを知ったはずなので。
コウ君には、そんな悪意を向けられても、ひたむきさを失わないでほしい。
リオちゃんには、周囲に何を言われてもお兄ちゃんを好きでいてほしい。
ユナちゃんには、どうか、いつか笑顔でコウ君と再会してほしい。
そんな、明るい未来を願いたくなるような作品でした。
心に残る作品をありがとうございます!
完結、お疲れさまです。
とても素敵な作品に出会えました。ありがとうございます。
ひたむきに努力するこう君に、胸を熱くされっぱなしでした。周りの方々も優しさに溢れこう君を温かくサポートされているのもこう君だからこそですよね。
歳を重ね成長してゆくこう君の姿もぜひ読ませていただきたいです。こう君は前を向いて歩き続けているのでしょうね。
私もひとつ葉のクローバーの花言葉を調べてしまいました。二人の約束に、ほっこりしました。
完結おめでとうございます!
コウキ君たちの成長、そしてそれを見守る人々の温かな心を丁寧に描かれた作品を読めたことにまずは感謝を。
前向きに、まっすぐに努力と周りへの感謝を決して忘れることのないコウキ君に時に「無理しないで」と祈りながら、時にそんな彼に寄り添う友達や家族との交流に、彼の優しさはこうやって築かれてきたのだなぁと気付きながら読ませていただきました。
人それぞれに見える世界、感じ方は違うもの。
彼と出会った人たちも、そしてコウキ君自身もそれぞれに過ごしながら約束を重ね、互いの成長を喜びながら自らの足で歩んでいくのでしょう。
彼らの進みゆく未来が、どうか素晴らしく輝いたものでありますように。
素敵な作品をありがとうございました!
紅く染まる通学路まで拝読しました。
あぁ、彼との関係性も変わってきているのですねぇ。
それぞれの成長が読んでいて、とても素晴らしいし誇らしいです。
もうすぐ完結ということで少し寂しさも感じますが、引き続き読ませていただきますね!
身体にハンデを負う者、負わない者まで読了しました。
分かり合えること、歩み寄ることが出来ること。
コウキ君はしっかりとそれを考え、見据えているのですね。
その気づきを分かち合えるリョウ君という素敵な友達と共に、いつか願いが叶うよう、届くように一読者として応援していきたいです。
最新話まで読ませていただきました。
ありがとうございます。
コウキ君、強いお子さまですね。
すでに凄く頑張って前向きにしっかり歩んでいるコウキ君、優しく暖かくコウキ君を守るご家族、言ってはいけない言葉ですが、頑張れ!