ココロのどこか
「あなたがココロのどこかに置き忘れたもの、当店で預かっているかもしれません」
都会の片隅、いつも通るはずのルートから一歩外れた薄暗い路地裏に、その店は佇んでいる。
古びた木製看板に書かれた店名は『迷子堂(まいごどう)』。
そこは、動かない時計や鍵のない錠前など、奇妙な骨董品ばかりが並ぶ雑貨店。
そして、店主すら仕入れ先を知らない、不思議な力を持つ「道具」たちは、ココロのどこかで何かを失くした者、何かに立ち止まった者の前にしか現れない。
後悔、罪悪感、偽りの笑顔、言えない本音――。
心に小さな傷やトゲを抱えた迷い人たちが店主から手渡される道具は、どれも彼らの失くした記憶や本当の想いを映し出す。
これは、自分でも気づいていない「ココロの迷子」たちが、奇妙な道具を通して本当の自分と向き合い、そっと前を向いて歩き出すまでの、じんわり温かい救済のオムニバス・ストーリー。
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