全てを無に還す少女と、全てを燃やす拳の少年
──炎と無。
決勝の鐘が、静かに鳴り響いた。
灼熱の火柱が吹き上がる闘技場。
観客席は息を飲み、舞台の中央に立つ二人の存在を見守っている。
「これより──《第一学園精霊トーナメント・決勝戦》を開始します!」
華やかな司会の声が響く中、ゆっくりと歩み出る少年。
リオ=バーンレッド。
入学初日に《基本属性最強》の火の精霊《イグニア》と契約しながらも、
一切の武器も魔具も用いず、己の拳一つで戦い抜いてきた異端のファイター。
紅蓮の炎を纏いながら、彼の肉体はまるで鋼のように引き締まっている。
対するは、静かなる気品を纏う少女。
シエラ=アルフィネ。
第一学園の絶対的存在にして生徒会長。
契約する精霊は、あらゆる能力を“無”へと還す《ゼロの精霊》──《ノルデン》。
白銀の髪を風に揺らし、冷ややかな眼差しでリオを見据える。
(ようやく……ここまで来た)
入学式の日、ただ落としたハンカチを拾ってくれた──それだけのきっかけだった。
けれど、その一瞬で、彼は生徒会長シエラに一目惚れしてしまった。
ただ話したかった。笑ってみたかった。
だが、彼女は“生徒会長”という高嶺の花で、周囲すら近寄らせない壁の向こう側にいた。
ならば──
拳と炎で、正面から突破するしかない。
「俺はあんたに、伝えたいことがある」
「その言葉、私を倒せたら聞いてあげる」
風が止む。
シエラが静かに手を掲げ、無の力が空間を侵食する。
「──すべてを静止せよ。《虚無領域》〈アブソリュート・エリア〉」
全ての術式、全ての魔力、その発動を拒絶する無の結界が広がっていく。
だが、リオは豪快に笑った。
「だったらちょうどいい。拳には、無効も何も関係ねぇ!」
背後で咆哮する火の精霊《イグニア》。
リオの両拳に、炎の奔流が宿る。
紅蓮の闘志と、静謐なる無がぶつかり合う。
拳 vs 無。激情 vs 理性。
その激突の先にあるのは、想いの告白か、敗北か。
決勝の鐘が、静かに鳴り響いた。
灼熱の火柱が吹き上がる闘技場。
観客席は息を飲み、舞台の中央に立つ二人の存在を見守っている。
「これより──《第一学園精霊トーナメント・決勝戦》を開始します!」
華やかな司会の声が響く中、ゆっくりと歩み出る少年。
リオ=バーンレッド。
入学初日に《基本属性最強》の火の精霊《イグニア》と契約しながらも、
一切の武器も魔具も用いず、己の拳一つで戦い抜いてきた異端のファイター。
紅蓮の炎を纏いながら、彼の肉体はまるで鋼のように引き締まっている。
対するは、静かなる気品を纏う少女。
シエラ=アルフィネ。
第一学園の絶対的存在にして生徒会長。
契約する精霊は、あらゆる能力を“無”へと還す《ゼロの精霊》──《ノルデン》。
白銀の髪を風に揺らし、冷ややかな眼差しでリオを見据える。
(ようやく……ここまで来た)
入学式の日、ただ落としたハンカチを拾ってくれた──それだけのきっかけだった。
けれど、その一瞬で、彼は生徒会長シエラに一目惚れしてしまった。
ただ話したかった。笑ってみたかった。
だが、彼女は“生徒会長”という高嶺の花で、周囲すら近寄らせない壁の向こう側にいた。
ならば──
拳と炎で、正面から突破するしかない。
「俺はあんたに、伝えたいことがある」
「その言葉、私を倒せたら聞いてあげる」
風が止む。
シエラが静かに手を掲げ、無の力が空間を侵食する。
「──すべてを静止せよ。《虚無領域》〈アブソリュート・エリア〉」
全ての術式、全ての魔力、その発動を拒絶する無の結界が広がっていく。
だが、リオは豪快に笑った。
「だったらちょうどいい。拳には、無効も何も関係ねぇ!」
背後で咆哮する火の精霊《イグニア》。
リオの両拳に、炎の奔流が宿る。
紅蓮の闘志と、静謐なる無がぶつかり合う。
拳 vs 無。激情 vs 理性。
その激突の先にあるのは、想いの告白か、敗北か。
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