高価な宝石より、一輪の野花を笑って手渡してくれる誰かを、私は探しに行きます

「リリア、今日も君に似合う最高級の品を見つけてきたよ」

第一騎士団長リュカは、誰もが憧れる「太陽の騎士」。完璧な容姿と地位、そして妻への惜しみない「贈り物」で知られる理想の夫だった。
けれど、妻のリリアは知っていた。彼の瞳の中に、自分という人間は映っていないことを。
​彼にとっての愛は、価値あるものを買い与え、完璧に管理すること。
寂しさに震える夜も、彼が差し出すのは抱擁ではなく、家が一軒建つほどの冷たい宝石だった。

​「――愛を、知らないのですね。リュカ様」

​心が限界を迎えた朝、リリアは決意する。彼に与えられた全ての贅沢品を部屋に残し、着古した服一着だけで屋敷を去ることを。
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