失恋した逢魔が時、私は神様の世界へ足を踏み入れた ~幽世で選び直す恋~

姉が連れてきた婚約者は、初恋の人。
ずっと好きだったのに、その想いは伝える前に散ってしまった。

納得などできるはずもなく、お祝いムードの家族の中から逃げ出し、向かったのは夕暮れの神社。

時刻は逢魔が時。
昼と夜の境目みたいな、あいまいな時間。

薄暗い神社の奥へ踏み込んだ瞬間、ひどいめまいに襲われる。
次に目を開けたとき、そこは人の世ではなかった。

幽世――神々の住まう世界。

「百年に一度、人の世から神の花嫁となる女が迷い込む」

白い髪に紅い瞳の美少年は、混乱する五十鈴にそう告げた。

(なんで、私が……?)

失恋したばかりの初恋に、まだ折り合いをつけられていないのに。
気持ちが残ったまま、神の花嫁になんてなれない。
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