皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る

キラナ・フォーリ   二十二歳 
セレスタ帝国皇宮治療院薬師
×
アレン・トゥーイッラ 二十五歳 
セレスタ帝国魔術騎士団団長 トゥーイッラ公爵家長子


銀髪に紫と琥珀の目、希有な治癒の力をもつ秘されたメリハ族の直系――それが私。
メリハ族の直系は生まれたときから〝運命の伴侶〟が決まっている。
私の紫の目は、まだ見ぬ伴侶の色。
出現した手首の痣は、運命の強制力であなたを縛りつける。

「――これは非公式な皇帝命令による政略結婚だ」
美しく冷たい紫の両目は私を明確に拒絶する。

「俺たちの間に恋情など個人的な感情は存在しない」
長い指は触れるのを拒否するように強く握りしめられたまま。


私がセレスタ帝国最重要保護対象の、メリハ族でなければ。
あなたが〝運命の伴侶〟でなければ。

あなたが想う人との未来を邪魔するつもりはなかった。

「……君は、俺が守る」

あなたに恋情は贈れない。
――私にその資格はない。

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