赤髪
10年前。父、母、兄を一ヵ月の間に立て続けに亡くした、雲雀史佳(ひばりふみか)。
以来ずっと、家庭のある幸せそうな周囲とその日常に居場所がなくて、人と距離をとって生きてきた。
親ナシということで保証人のない就職活動もうまくいかず、派遣社員として働いていた史佳だが、ある会社の募集に応募したことで、人事部社員に推薦され新しい職を得ることになった。だが新たな職場でも、派遣社員ということで肩身の狭い思いをする。
両親を亡くしたときのトラウマで尖端恐怖症の史佳は、尖った刃物を扱ったことで社内で気を失ってしまう。このとき、かばって怪我をしたのが、史佳を推薦した人事部社員・乃木馨(のぎかおる)だった。
高い社内成績のわりに、とっつきにくいと評判の馨。そんな彼と会話を重ねるうち、赤髪の彼が噂ほど地味でも口数が少ないわけでもないと史佳は知る。馨に支えられた史佳は、派遣社員であっても堂々と仕事ができるようになっていく。
人嫌いの馨の、唯一無二の親友が亡くなった兄・史矢(ふみや)であることがわかり、そこから二人は付き合うようになるのだが。
この二人の恋愛が、互いの両親のからみあった過去を暴きだすきっかけとなり――
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