思いがけず聖女になってしまったので、吸血鬼の義兄には黙っていようと思います
幼い頃、両親を事故で亡くし、孤児院で暮らしていたエリカはある日、
唯一の肉親である兄、リアードをセオドア・フォンベッシュバルト公に奪われた。
子供がなく、後継ぎを探していたシンフォルースの五大公爵家当主、セオドア・フォンベッシュバルト公。
彼の理想とする基準を満たしていたエリカの兄で神童のリアードを、彼は養子ではなく、養弟として迎え入れることにした。なぜなら彼は人外の吸血鬼だったからだ。
五百歳を越えると言われているフォンベッシュバルト公の見た目は、シンフォルースでの成人を迎えた十八歳の青年のよう。そのため、六歳のリアードを子供とするには不自然だからと、養弟として迎え入れられることになったのだ。
目の前で連れていかれようとしている兄を追って、当時、四歳の子供だったエリカが追いすがった先に待っていたのは──この上なく残酷な、拒絶の言葉だけだった。
「必要なのは彼だけです。貴女ではない。貴女は当家の基準を満たしてはいないのですよ」
神童の兄、リアードと違い、エリカはただの子供だった。
──私にはリアードの家族でいる資格はない。
そうして涙の中で、孤児院に一人とり残されてから十四年……
正式に引き取られはしなかったものの。フォンベッシュバルト公の義弟となった兄、リアードの実妹であるエリカは、形式上、フォンベッシュバルト公のある種、義妹という扱いになるのだが──
けして認められることも、迎え入れられることもない。エリカが選んだ道は、吸血鬼とは元来敵対関係にあるはずの聖職者だった。
しかし、聖職者の道を歩むため、孤児院を卒業するその日に、エリカは孤児院の門前で傷付き倒れているフォンベッシュバルト公と再開してしまい……
*ちょいちょいシリアス入りますが、緩めのギャグコメ風? ラブコメです。相棒でペットのアヒルちゃん愛にあふれた内容となります。
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