SUMUS HELVETĪ

 今に生きる吟遊詩人達がいた。
 彼らは電子の|六弦琴《ギター》をかき鳴らし、雷を思わせるような歌声を奏でる。そして笛を、ハーディーガーディーを、鼓を、大地を震わせる。
 西洋の今昔を掛け合わせ出来上がった歌たちは、私の心を、ひどく共鳴させたのである。
 彼らが歌うある一曲は、ある女神に見捨てられ、破滅しかないのかと嘆いていた。しかし、誇りは捨てない。我々にラメントを見せたれど、その|御名《みな》は捨てず。
 そのような歌を、楽器と声に奏でる彼らの御名は、何なのだろう。|何処《いずこ》に|興《おこ》りて、何処に帰りたるのか。――嗚呼見よ、悲しき人々を。
 彼らの名はヘルウェイティ。――|嘗《かつ》てスイスに住んでいた、ケルトの民族である。
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