fétiche(フェティッシュ) 〜欲望を満たすもの〜

fétiche、それは自身の欲望を満たすための対象物となるもの……。

 子供の頃、當川千乃(とうかわ ゆきの)は、母親に首を絞められ、弟とともに無理心中を図られた──
 生き残ったのは千乃だけ。
 以来、自分だけが生きていることが罪であるかのように、周囲の不幸も「自分のせい」と背負い込むようになった。

 大学生になった千乃は、緊縛フェティシズムをテーマにした店「縷紅草(るこうそう)」でアルバイトをしていた。
 店主の嶺澤八束(みねさわ やつか)は元救命医で、過去に千乃の命を救った恩人でもあった。

 そんなある日、横浜で発生した猟奇的な事件の捜査で、店に刑事が訪れる。
 その刑事は、片思いの相手・親友の兄であり、捜査一課長でもある藤永真希人(ふじなが まきと)だった。

 事件をきっかけに再会したふたりは、少しずつ距離を縮めていく。
 だが、事件の犯人の手は千乃自身にも忍び寄り──

 息を潜めるように生きてきた千乃の「命」と「恋」は、果たして報われるのか。
 そして、事件の真相と恋は──。

 傷を抱えた青年と、冷徹なスパダリ刑事が織りなす、救済ミステリー×ラブの物語。
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