君と笑った

― 静かに壊れていく僕らの話 ―

ある春の日、彼女はひとりの少年に出会った。
静かで、穏やかで、どこか壊れかけたようなその少年――蓮。
ふたりは、ほんの些細な喧嘩と違和感から関わり始めた。

彼の中には、制御できない“怒り”が潜んでいた。
その怒りは暴力へと変わり、やがて“喜び”と混ざり合っていく。
彼女はそれを知りながらも、蓮のそばにいることを選んだ。
彼女自身もまた、壊れかけた家庭と静かな絶望を抱えていたから。

蓮が笑ってくれるなら、どんなことでも――
そう願った彼女は、次第に共犯者となり、やがて自らの手を汚す。

高校生活の3年間、ふたりは罪を重ねながらも、確かに“繋がって”いた。
けれど、それが本当に愛だったのか、執着だったのかは、最後までわからなかった。

すれ違い、沈黙、逃げ場のない選択。
そして蓮は、すべての罪を引き受け、姿を消す。

彼の不在のなか、彼女は問い続ける――
「私たちは、どこで間違えたのか?」

それでも彼女は、生きることを選ぶ。
あの日、蓮が彼女にくれた“笑顔”を、心に残したまま。

「君のいない世界で、私は生きる。壊れたままでも。
あの笑顔を、忘れないために――」
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