思川桜、ひとひら。
親の転勤の都合で、北海道から栃木の高校に編入してきた、佐伯菊乃(さえき きくの)。彼女には直前までそこが女子高だとは知らされていなかった。 呆然とするキクノが出会ったのは、オシエこと、橋田紀志江(はしだ きしえ)。彼女はキクノが新しい環境や学園生活に馴染めるよう街を巡り、色々なことを教えてくれ、やがて二人は惹かれ合っていく。 その夏に開かれた、男子校との図書委員交流会でみんなと親しく接するオシエ。嫉妬を抱いたキクノは、オシエに辛く当たるが、これをきっかけとして二人は二人だけの居場所を選ぶことを決意する。 だが、まだ子供ゆえ運命には抗えず、やがて二人は別れの時を迎えることになる。 時が経ち、生活の場を東京に移したキクノは、久しぶりに地元の駅のホームに立った。 『蔵の街とちぎ』の情景と、二人の女の子の心情を重ね合わせた、ちょっと切ない恋愛物語です。
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