エンド・オブ・ノスタルジア
魔族の村の、ただの「隣同士」。
五歳の時、隣の家でいつも一緒に遊んでいた幼馴染のユウが、世界を救う「勇者」として選ばれ、王都へと連れ去られた。
置いていかれた魔族の少年・ルヴィは、たった一つの願いを胸に誓う。
——「あんなに遠い存在になってしまったユウの隣に、対等に並びたい。名前を呼んでほしい」
禁忌も悪意も持たず、ただひたすらに死ぬ気で努力を重ねた結果、ルヴィは魔族の頂点である「魔王」へと成り上がった。
数年後、立派な勇者となったユウが、魔王討伐のため城へやってくる。
「やっと追いついたよ、ユウ」
ルヴィがかつてと変わらない優しい笑顔で迎え入れたのは、懐かしい幼馴染への愛ゆえだった。
しかし、ユウにとって目の前の魔王は「世界を脅かす憎むべき絶対悪」でしかなかった。
ルヴィの優しい眼差しも、呼びかける名前も、ユウの耳には届かない。ユウは警戒心を剥き出しにして刃を向け、そして——戦いの果て、ルヴィの腕の中で致命傷を負い、命を落としてしまう。
「勝てなかった……世界を守れなかった……」
絶望と無念を抱いたまま息絶えたユウが目を覚ましたのは、光に満ちた天国の庭。
そこで告げられた神からの言葉によって、ユウは初めて知る。
自分を倒そうとしていた魔王が、かつて隣で笑い合っていた幼馴染であり、自分のために魔王にまでなってくれたのだという、あまりにも遅すぎた真実を。
誰も悪くない。ただお互いを大切に想っていただけなのに。
ユウは天国で涙を流し、下界の城でルヴィは、二度と名前を呼んでくれない冷たくなった英雄の幻影を抱きしめ、永遠の孤独を生き続ける。
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——「あんなに遠い存在になってしまったユウの隣に、対等に並びたい。名前を呼んでほしい」
禁忌も悪意も持たず、ただひたすらに死ぬ気で努力を重ねた結果、ルヴィは魔族の頂点である「魔王」へと成り上がった。
数年後、立派な勇者となったユウが、魔王討伐のため城へやってくる。
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誰も悪くない。ただお互いを大切に想っていただけなのに。
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