旦那の借金を返し終えたその日に浮気現場を目撃しました
没落の危機に瀕した名門貴族の跡取り・チプリアーノのもとへ嫁いだオルテンシア。
だが結婚の直後、夫が放蕩の末に作った莫大な借金が発覚する。
実家の名誉と夫を救うため、オルテンシアは持ち前の染織の才を活かし、地下工房で昼夜を問わず身を削り続けた。
三年もの歳月を費やし、ようやく最後の一枚の手形を買い戻した夜のこと。
喜び勇んで帰宅した彼女が目にしたのは、庭の東屋で妖艶な令嬢エメリエンヌを抱き寄せる夫の姿だった。
「あの擦り切れた機織り女のおかげで金は片付いた。用済みのあいつは離れの納屋に追い払い、お前を正妻に迎えるよ」
嘲笑う二人の言葉に、オルテンシアの愛は完全に凍りつく。
泣き寝入りなど決してしない。
彼女は完済の事実を隠したまま離縁状を叩きつけ、静かに屋敷を去る。
彼女を正当に評価する大商会の当主・セヴェリーノの後ろ盾を得て、オルテンシアの織物は国中の貴婦人を虜にしていく。
一方、金の出どころを失った元夫と愛人は、自らの愚かさによって底なしの破滅へと転落していくのだった。
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