キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。

3章：異世界と日本との二重生活の始まり

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　ランチ中に、観光地の湖で観光しながら教育でもいいんじゃないかとキルギスさんが言い出したので、どこがいいとか今の時期だとあそこがいいとか、教育どこいったー状態でした。
　…いいのかこれで。松田さんの時はどうしてたんだ。え、ハンターギルドで一緒に受注してた？どうやら本人の進みたい方向で変えたりするらしい。

　と、まあ納得はしたけれど、観光地が出るわ出るわ…元々自然が豊かだったけど、落ち人が景色がいいからという理由で観光業が盛んになったらしく、危険や無理のない範囲で色々整えられてはいるのだとか。

「ユカはどういう所に行きたい？」

　パスタランチを終えて機関に戻って来たけれど、ランチ中では話が終わらなかったのよ。機関に戻ってからも地図も用意されて、日帰りで行けそうな所にチェックつけつつ話が続いてるのよね。
　行きたい所をキルギスさんに聞かれたけど…

「川とか湖がいいですね。最近山にばかり行っていたので」
「ではここのハムラ湖ですかね。コテージもありますし、湖で釣った魚を焚火で焼いて食べる事も考えられてますし」
「そうだな。川もいいが、川だと施設はないから野営になるからな」

　という事で、やっと収集がつきました。

「最初はそういう所の方がいいね。高梨さんはキャンプで多少は慣れてるだろうけど、環境もアイテムも違うしね」
「そういえば松田さんはどうだったんですか？ハンターとして活動する時に大変だったりとかは？」
「あーまあ、やっぱり最初はね。ただ、俺はほら、転移できるからさ。ある程度勝手がわかってからは適当にずるしてたし」

　松田さんに聞いたらそういう回答があったけど、キルギスさんは松田さんが居ない時の対応をしていたというのだから、本当にお疲れ様です。としか言えない。

「落ち人に対してのサポートの一環だからな。色々工夫して、一人でもなんとかなるまではな」
「そうそう。結界とか、ダミーとか、協力してもらって作り上げたしね。まあ、俺の身の安全の為に、申請してないけど」

　あ。申請とかあるのね。でも、そういう魔法は申請必須とかないのかと聞けば、ある事はあるが、身の安全の為に機関では秘匿する場合もあるのだとか。だから松田さんの能力に関しては、キルギスさんはもちろん、スーザンさん、所長さん、あと2人しか知らないのだとか。
　…キルギスさんのご両親も詳しくは知らないらしいから驚きだ。とはいえ、知らないふりをしてる可能性もありそうだよね。

「では、次の教育はハムラ湖で実地になるか」
「分かった。高梨さん、来週は予定入ってる？」
「特にはないですが…土曜日は午前中休みたいかもです」

　仕事の追い込みがね…残業が発生するか、すんなり帰れるかは謎なのよね。

「そしたら日曜にして、帰りは日本に直接戻れば短縮できるけど…どうだろう」
「ああ、無理はしなくていいぞ。その次の週とかでもいい。松田、日時が決まったら連絡してくれ。一応準備はしておく」

　困ったような顔でキルギスさんが言うけど、その表情がなんとも不安になるんだけど。

「その、コテージというものが宿泊可能な建物でしたら…泊りがけで、翌日帰るとかでも大丈夫ですよ。私、あっちでもキャンプで似たような事してますから」
「そうか。なら、そうしよう」

　うぐっ…そこでなんでキラキラしい笑顔が来るのよ！