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3章:異世界と日本との二重生活の始まり

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「ユカ、好きなんだ。女性として」

 いきなりの事で頭真っ白に。え、好きって言った!?女性として!?頭の中で言葉を反芻して、意味を理解して、かあっと顔が熱くなる。

「あ、えっと」
「その、答えをせかす訳じゃない。気持ちだけ伝えておこうと思ってな。松田がこのままだと進むものも進まないというから」

 ちょっと松田さん~~~~~!!!確かに気持ちがわからなくてもやもやしてましたけどね!でもそんな事一言も言ってませんがなんで余計な気を回して来るのよ!

「ああ…もしかして向こうで…好きな相手がいるなら、その…」
「いえ、いません!」
「そうか。それなら少し考えておいてくれるとうれしい」

 だからその笑顔がさ…!というか私も好きだと言ってしまえばよかったのに~~~あ~~~ばかぁ!考えておいてなんて言われたら後から言いにくくなるやつ…



 もう、どう言って日本に帰って来たのか、頭真っ白で覚えてませんよ。戻ってきてからも右往左往して、松田さんに怒りのラインをしてしまったわよ…!!!
 翌朝、大笑いのスタンプだけ来てて、このやろう…と、怒り再熱したわよ。

『いやーちゃんと告白されたんだねぇ。まあ、順番ごっちゃだけど』
「笑い事じゃありませんよ」

 夕方通話通知が来たので出れば、笑いながらおめでとうとか言われて、これである。

『あっちでは貴族でお家同士の政略的な物だと書類があったりするけど、一般的にはお付き合いの時に特に何かを贈ったりはしないんだけどね。世界が違うから誰の彼女だからとか誰それと付き合ってるからとか使えないし、やっぱり指輪あると虫よけになるしさぁ。最近キルギスさん、心配が変な男に引っかかったりしないかってそっち方面に向かってったからさぁ。だから日本ではこうしてるって教えてあげたんだけど、行動が速すぎて笑える~』
「…そんな話もしてたんですか」
『そうだよ。ただまあ、俺が言うのも、ねぇ?』

 めちゃくちゃ初期の段階からおすすめとか色々言ってきてましたよね、松田さん。それを突っ込めばそれはそれ。という返しが来たけども。

『返事しにくいなら向こうの花言葉を使って返事でもいいと思うよ~スーザンさんなら相談できるし、なんならルシーちゃんに聞いてもいいけど』
「それ、松田さんに伝えたらそのままキルギスさんまで行きそうなんですが」
『さすがにそれはしないよ~あ、じゃあスーザンさんに花ことばも乗ってる辞典借りればいいんじゃないかな』
「どっちにしろ伝わりそうなんですが」
『今はまだ人間関係狭いからねぇ』

 そう、まだまだ独り立ちできる状態じゃないからね。機関の中で出会う人位だもんね。とはいえ、それも挨拶だけだったりする。機関の人もいろんな人がいるから、教育方針が違ったりするらしく、基本横から口は出さないのだとか。なので必然的に挨拶のみで会話という会話をしないのよ。
 友好関係狭くてさみしいけど仕方ない。安全には変えられないもの。
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