ムーンライトに映る幸せのフラグ
小野亮一は大阪で探偵調査業を営んでいたが、事情があって廃業してから、名古屋で短期間損保会社の不正調査員の研修を受けたあと損保三社の委託調査員に従事している。依頼の多い東京へ出てきた彼はM町のシェアハウスに住んだのだが、そこには十人ほどが同じ屋根の下に暮らしていた。欧米人や香港人なども住んでいたが、六十歳を超えた女性や男性、さらに三十代や四十代の女性が、男性四人、女性六人がルームメイトとなっていた。やがて亮一はその中の一人、岩崎月子と親しくなる。彼女は四十二歳、二十歳になる息子とシェアハウスに暮らして四年になるという。栃木の高校時代の先輩と結婚して一男をすぐにもうけたが、夫は息子へのしつけや教育が異常に厳しく、やがて突然パニック症状となって心のコントロール出来なくなってしまう。結局、高校を中退して家に引きこもり、父との接触は断固として拒んだ。そのような経緯で、夫婦仲も崩壊した月子は夫と離婚後、今のシェアハウスへ移転してきた。月子と息子と小野亮一とのシェアハウス暮らしでの顛末物語。
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