あの日の少年は、私を離さない
裏通りで小さな質屋を営むオリヴィアは、三十三歳。
品物の値打ちなら一目で見抜けるのに、自分の値打ちだけは、ずっと安く見積もってきた。
両親を亡くした自分を置いてくれた大家一家に「恩」を返すため、頼まれれば店を閉め、墓参りさえ諦める。それが当たり前の毎日だった。
そんなある日、ひとりの青年が金の懐中時計を質に入れにやってくる。
八つも年下で、口が軽くて、やけに馴れ馴れしい。なのに彼は、まっすぐな目でこう言った。
「俺、あなたが欲しい」
からかわれているだけ。そう思うのに、彼は毎日やってきて、誰も気づかなかったオリヴィアの望みを、ひとつずつ拾い上げていく。
「十三年も待ったんだから」
そう言う彼は、何者なのか。
尽くすことしか知らなかった女性が、自分の価値と人生を取り戻す物語。
年下ヒーローの、一途すぎる想いを添えて。
全十話(本編九話+エピローグ)/完結済み
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