ある日、王子様を踏んでしまいました。ええ、両足で、です。
魔物が押し寄せる「暗き森」から魔物を国内へと侵入させない様に防衛している第八騎士団。
暗き森は奥深く広大で、その先は険しい道を超えて隣の国との国境に位置する。防衛の要として常に戦いにおいて最前線のこの地は、辺境過ぎて他の騎士団及び中央の貴族からも赴任となれば左遷扱い……の、蔑みの対象であった。
そんな砦で、専属の薬師として生活しているリサは、治癒術師達に馬鹿にされながらもせっせと薬作りに励み、仕事を謳歌していた。治癒術では治らない体の不調には薬が一番だと自負しているからだ。
ある日、森の中を薬草取りに出掛けたリサは、魔物に襲われて倒れていた王子を思い切り踏んでいた。それは、もう両足でしっかりと。
明らかに事故であったが、バレたら首を(物理的に)切られても文句は言えない。
どうにかバレずに距離を置きたいリサだったが、王子は第八騎士団の砦に世話になりたがっていて、ぐいぐい来る始末。
そもそも、リサは穏やかに暮らす為に無理を押して砦に居ると言うのに、王子が来てから状況が変わってしまって……?
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