恋というには幼すぎ

 大学院を卒業し、ごく普通の会社に就職した私は、今年も独りクリスマスを仕事に費やした。

 実家に戻れば婚活の話題、周囲にはクリスマスに甘い時間を過ごす人もいる。私だって好きで独り身を貫きたいわけじゃない。

 そんな不満を抱えながら家路を急ぐ私は、大学卒業と共にめったに会わなくなった親友と再会した。

 自分も一人だという彼と共に駅への道を進みながら、私は自分でも気がつかないままに新たな分岐路へ足を踏み入れていた。

 彼と私が積みあげてきた、友情と言うには進み過ぎ、恋と言うには幼すぎる関係に、新たな名前をつける分岐路へと。
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