俺が産みます
「俺が産みます」
ベータの発言に騎士団長室がしずまりかえった。無言のアルファの騎士団長に代わり、年かさの騎士が訊ねる。
「しかし、君はベータでは?」
「新薬が開発されてベータでもオメガに転換して妊娠可能になって数年なのはご存じでしょう?」
「し、しかし、君はベータではあるが優秀な魔法騎士で、三男とはいえ侯爵家の……」
「どうせ俺は“なりそこない”ですから問題ありませんよ」
ベータは騎士団長の優秀な片腕ではあるが、ベータであった。名門貴族の子弟は優秀なアルファか子孫を残し政略結婚の手駒としてのオメガがもとめられる。
いくら優秀であっても、平凡なベータは求められないのだ。ベータの“なりそこない”という言葉に貴族階級ばかりの騎士達は沈黙する。
そして騎士団長は平民出身でありながら優秀なアルファであり、その剣と魔法一つだけでここまで成り上がった。
その優秀な血を残せと国王に命じられるほどに、さらには相手がいないというならば、オメガである第三王女を娶れという雰囲気になっていた。オメガらしい美貌を誇る王女だが、その性格は大変悪いと評判の……。
「お前はそれでいいのか?」
沈黙していた騎士団長が聞く。
「はい。できれば妊娠中の産休期間も業務として有給を認めていただけるならば」
「もちろん“重要な任務”だ。許可しよう」
「ありがとうございます」
こうして、二人の契約結婚ならぬ、契約出産はなりたった。
ベータの発言に騎士団長室がしずまりかえった。無言のアルファの騎士団長に代わり、年かさの騎士が訊ねる。
「しかし、君はベータでは?」
「新薬が開発されてベータでもオメガに転換して妊娠可能になって数年なのはご存じでしょう?」
「し、しかし、君はベータではあるが優秀な魔法騎士で、三男とはいえ侯爵家の……」
「どうせ俺は“なりそこない”ですから問題ありませんよ」
ベータは騎士団長の優秀な片腕ではあるが、ベータであった。名門貴族の子弟は優秀なアルファか子孫を残し政略結婚の手駒としてのオメガがもとめられる。
いくら優秀であっても、平凡なベータは求められないのだ。ベータの“なりそこない”という言葉に貴族階級ばかりの騎士達は沈黙する。
そして騎士団長は平民出身でありながら優秀なアルファであり、その剣と魔法一つだけでここまで成り上がった。
その優秀な血を残せと国王に命じられるほどに、さらには相手がいないというならば、オメガである第三王女を娶れという雰囲気になっていた。オメガらしい美貌を誇る王女だが、その性格は大変悪いと評判の……。
「お前はそれでいいのか?」
沈黙していた騎士団長が聞く。
「はい。できれば妊娠中の産休期間も業務として有給を認めていただけるならば」
「もちろん“重要な任務”だ。許可しよう」
「ありがとうございます」
こうして、二人の契約結婚ならぬ、契約出産はなりたった。
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